プリザンターの活用例(勤怠管理)

以前は昔ながらのタイムカードに出退勤の時刻を記録し、1か月単位で勤務管理表に転記していましたが、コロナ禍を経て在宅勤務の選択肢が出来たことで実際に出社する人数が少なくなり、従来の出退勤記録だと実態に合わなくなってきました。
そこで、社内だけでなく外部からも出退勤の登録を可能とすることで、在宅勤務や客先作業の社員も含めて、日々の出退勤記録と勤務実態の把握ができるような仕組みを構築することにしました。
システムの基盤として、Web経由で接続ができ、APIを用いて外部システムと連携が可能な点から、プリザンターを活用することにしました。

環境構築

社外からプリザンターに接続するために、クラウド上に環境を構築する必要があったため、Microsoft社が提供するクラウドサービス「Azure」を利用することにしました。
Azureのサービスのうち、WebアプリやAPIサーバなどをホスティングできる「Azure App Service」と、クラウド上で管理されたSQLデータベース「Azure SQL Database」を利用して、クラウド上にプリザンター環境を構築しました。

標準機能を活用

まずは「勤怠管理」フォルダを作成し、そのフォルダ内に記録テーブルで「社員マスタ」と「出退勤」を作成しました。
「社員マスタ」は社員情報の登録、管理を行うテーブル、「出退勤」は出退勤情報の登録、管理を行うテーブルです。


「社員マスタ」には、社員情報(社員番号、氏名、ふりがな、性別、入社年月日など)の項目を作成しました。


「出退勤」には、出退勤情報(社員番号、氏名、日付、出勤時刻、退勤時刻、勤務形態など)の項目を作成しました。


「出退勤」の一覧画面に表示する項目や、フィルターをかけたい項目の設定を行いました。
ここまでで勤怠管理のフォームが完成です。

 
スクリプトでカスタマイズ

次に、「出退勤」の社員番号を入力した時に、「社員マスタ」から入力した社員番号と紐づく氏名を取得して、自動で氏名欄に入力されるスクリプトを作成しました。
これにより、氏名を入力する手間が省け、社員番号と氏名の不整合を防ぐことができました。

 

外部アプリケーション(タイムレコーダー)との連携

ここまでの機能で勤怠管理を行うことが出来ますが、プリザンターのAPIを用いて外部アプリケーション(タイムレコーダー)と連携し、社員を特定するために必要な情報を持ったタイムカード(NFCカード)を、タイムレコーダーを起動したスマートフォンにかざすことで、出退勤の時刻を「出退勤」のレコードに登録するようにしました。
かざしたタイムカードの情報と現在時刻を、APIでプリザンターに連携し、「出退勤」のレコードに登録する仕組みです。
以上で、社内勤務の社員はタイムレコーダーから、社外勤務の社員はWebから出退勤を登録できるようになりました。

 

Excel(勤務記録表)との連携

また、勤務記録表はExcelで作成していたため、登録した出退勤データをプリザンターのAPIを用いて取り込むことにしました。
勤務記録表のワークシートに「取り込み」ボタンを設置して、押下することでプリザンターから出退勤の記録を取り込む仕組みとしました。
取り込んだ後はこれまで通り、Excelの計算式やマクロを用いて勤務時間や残業時間等の計算を行っています。